中国 超監視社会と信用スコア

Study


今週の月曜日に放送された「世界まる見え!」の内容で、興味深かったのがあるので紹介します。
それは、「中国の超監視社会」についてです。



中国超監視社会

中国は至る所に監視カメラが設置されており、6億台以上とも言われている。

個人のスマホからも、様々な情報を政府などが収集していて、新型コロナによって情報収集が加速した面もある。

中国の北京で暮らす、フランス人の夫(セバスチャン)と中国人の妻(ルル)を通して見えてきた中国監視社会の実態にせまる。




セバスチャン
「中国では家を一歩出れば、ずっと誰かに見られている気がします。街を歩けば監視カメラだらけ! これじゃ、逃げも隠れもできませんよ。交差点には大きなモニターがあって、信号無視すると、顔が映し出されちゃう。地域によっては、名前やID番号までバレてしまう。ルルはどう思う?」 

ルル
「私はいいと思うわ。だって、ここまですれば、
さすがに交通ルールを守る人が増えるでしょう。」


中国では、何をするにもスマホを活用しています。

買い物をしたり、何かを調べたり、スマホにはその人の趣味趣向がわかる情報が満載です。

そこで、政府はスマホのアプリを通じて国民の個人情報を収集している。

中国政府は、これまでも学歴や職業、資産や健康状態など、様々な個人情報を集めてきましたが、
新型コロナによって、新しい情報収集の手段が増えました。

新型コロナウイルスが蔓延して以来、建物に入るときや、乗り物に乗るときなど、どこへ行くにも二次元コードにスマホをかざしています。

政府は、この二次元コードを使って濃厚接触者を追跡し、蔓延防止に努めているが、一方で国民一人一人が、いつどこにいるのかという行動履歴なども政府に知られるようになった。



信用スコア

セバスチャン「ねえねえ、ルルは何でいつもお茶ばっかり買うの?」

ルル「だって、お茶は健康にいいから、私の信用スコアがアップするかもしれないじゃない。」



決済アプリの企業や地方自治体などが、信用スコアのシステムの運営をしている。

さらに、政府も信用スコアを吸い上げ、個人の情報や信用度合いを収集しているという。



セバスチャン
「妻のルルが利用している信用スコアの最高値は950点。スコアが高いほど特別待遇が受けられる!
ちなみに、ルルの点数は752点で、なかなか高い方なので、公共交通機関の割引サービスが受けられたり、先日、上海旅行へ行ったときは、高級ホテルの宿泊を優先的に予約ができました。」



他にも、海外旅行のビザなども信用スコアによっては取りやすくなるという。

使用するアプリや地域にもよるが、高価な商品を購入したり、ボランティア活動などを行うと信用スコアがアップする。

逆に、ローンの支払いが滞ったり、行いが悪いと原点となり、様々な公共サービスが受けづらくなるなどのペナルティーがある。

最近では、その人が何を買ったか、何を食べたかなど、個人のプライベートな部分も評価の対象になっているといううわさがある。


セバスチャン
「ルルはいつもスマホばっかりいじってるけど、そのスマホから政府にどんどん個人情報が漏れて、監視されてるかもしれないのに、不安にならないの?」

ルル
「全然。私、何にも悪いことしてないもん。どうぞ、見てくださいって感じ。」

セバスチャン
「本当に?怖いとか思わないの?」

ルル
「怖いなんて言えないわ。ときどき心配になるくらいなら言えるけど…

私たちは政治を悪く言ったりすると、突然、知らない誰かから電話がかかってきて、叱られたりすることがあるのよ。」



政府から監視されていることに、不安を感じる人も中にはいますが、かといって、スマホのない時代に戻れるでしょうか?

監視されていることで、人々の安全や生活の便利さが得られます。

ですから、監視と共存していかなければならないのです。




中国顔認証システム

さらに、中国では顔認証システムも進んでいる。

中国の大都市などでは、顔パスで買える自動販売機がある。

決済アプリに登録した顔認証のデータが使用されているのですが、もしかしたら、今や顔認証のデータまで政府が収集しているかもしれません。


セバスチャン「なんか怖いなぁ~」

ルル「超便利じゃん!」


現在、中国の顔認証システムは世界トップレベルの精度と言われています。

最新の顔認証システムの「スカイアイ」は、指名手配中の犯人をこれまで3000人見つけ出し、逮捕に協力しました。

さらに現在は、顔の他にも、その人の歩き方や眼球から本人が特定できるよう、研究が進められているそうなんです。

しかし、なかにはこの政府のやり方に反対する人もいます。

デモをするものや、ビラを配るものなど、抗議の仕方は様々ですが、そうした活動の多くは、すぐに警察に止められてしまいます。



国民の膨大な個人情報を収集して、ビッグデータとして国が管理、監視するこのシステム・・・

みなさんはどう思いますか?


セバスチャン
「僕は、ちょっとやりすぎだと思うなぁ~」

ルル
「私は別にそうは思わないわ。でも、この国は20年後どうなっているのかしら?
もしかすると、見た目は人間だけど、ロボットみたいになっちゃってるかもしれないわね・・・」




4月18日放送「世界まる見え!」より





みなさんは超監視社会をどう思いますか?

日本も中国とまではいかないまでも、すでに監視社会ですね。私は夫のセバスチャンと同じ意見で、いき過ぎたら嫌ですね。

これを見ててニール・ドナルド・ウォルシュ著の「神が望むこと」に書かれていた、ある一文を思い出した。

「まもなく監視カメラは、家の中にまで入ってくるかもしれない。みんな、それでも平気なのか。」


超監視社会への流れを止めるのは今のところ厳しそうですね。自分が嫌だと思っていても、大きな流れには逆らえません。

サイレントマジョリティーじゃないけど、何も言わないことはイエスと言うことだ。だから、ノーと言わなければならない。

また「神が望むこと」から言葉を借りるけど、

世界のほとんどの腐敗の原因は、人々がすることではなくしないことだ。

でもまあ、世の中は超監視社会の方に流れていってしまうんだろうね・・・



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